■予告
■あらすじ
非行少年による暴力が横行する近未来のロンドン。アレックスも仲間を引き連れ、喧嘩とレイプに明け暮れる日々を過ごしている。ある夜、中年女性を死に至らしめた彼は刑務所行きに。しかし2年後、とある治療法の被験者になることを条件に、社会に戻ることを許されるが……。
■Review
『時計じかけのオレンジ』(原題:A Clockwork Orange)は、
イギリスの小説家アンソニー・バージェスによる本人も恐ろしい作品と言った1962年に発表されたディストピア小説を、名監督スタンリー・キューブリックが映画化した作品。
この作品は自分も大好きな作品です。好き嫌いが別れそうな監督の作品の中で、より好き嫌いが別れそうではありますが、見ることを強くオススメします。
まずこの映画の第一印象としてはとても伝える部分は少し難解だけど強く残る部分はあったし、世界観も監督らしい世界観に仕上がっていて、キューブリック作品が好きな人はとても楽しめるんじゃないかなと思います。
ただ他の人がこの作品に対して言ってる「恐ろしい」という部分は実は結構私から見たらコミカルではありました。例えば他の若者集団と主人公たちが乱闘してるシーンなんて、そこまで本格的にやってるわけでもないでしょう。手をぐるぐる回したり、中国映画みたいに窓ガラスや机が簡単に壊れたりしてましたから。
確かにやることは暴力だったり窃盗や交通違反とかしたりはしてますが、それやっているときの映し方はとてもコミカルで可愛らしい・・・と言ったらあれですがそんな感じです。これは演出なのか、はたまた後半からの演出を盛り上げるためなのかは細かくは分かりませんが。
この映画の特徴とも言えるのは、「ナッドサット」という造語が繰り広げますが、特にこれを理解したからと言って別にそこまで映画の良しあしが変わったりしたり、映画のメッセージ性が変わったりという事は私から見てあまりないと思います。なんとなく雰囲気で楽しむくらいがいいとは思いますが。
後は特に監督らしい恐怖感と言うのはあまりないとは思います。さっきも言った通り意外とコミカルではないかと思います。「シャイニング」のように怖さ目当てで見ると少しガッカリはしますが、物語としては印象に残る部分はあるし、深読みが出来るような作品かと思います。一応ここら辺までが映画の外側部分の感想です。
この映画は結局なにを伝えてたかったのか。私はそこまで考察とか得意ではないですが、まず分かりやすい部分で言うなら主人公は夜は暴力や性行為などを求めていますが、母親や警察なんかには礼儀は正しいです。そして意外にもこの映画は政治とかの話もしています。もしかすると、当時の社会だったりや政治の事を皮肉った映画で、さらに言えば全体主義を否定した映画なんじゃなぉかなと最初に思いました。
オレンジと言うのはナッドサット言葉で人間という意味らしく、タイトルから直訳すると「時計じかけの人間」になります。つまり
主人公アレックスを主体にした社会という時計歯車を舞台に、今まで夜で暴力などをして独りであったアレックスが社会の世界で一つの歯車に入る物語ではないかなと思います。
アレックスみたいに夜に個人主義になるというのはきっと大人もそうだし、昔子供のころだった大人たちもそうかもしれません。昼は全体で社会や学校で集団で働き、夜は基本的には個人で自由にできます。そうした人間の二つの部分をアレックスで映していたのかもしれません。
それでこの映画ってもう一つ伝わるのは自由とは何だい?ということ。アレックスが治療を終えたあと、結局終わって完治したとしても暴力や性行為はだめで、好きな音楽も吐き気がしたりと結局自由を奪われて、ひどいことはしたけど可哀そうじゃないですか。
なんかそれを見てると、今の日本みたいだなと共感できる部分はありますね。集団主義で社会という歯車に入って、個人の時間でもある夜でも結局は会社や学校や法律なんかで自由がない生活をしないといけない。しかも映画みたいに暴力はもちろん、人の体も勝手に触ることもできないし、やられてもすぐに謝る姿は今の日本によく似てるなと感じましたね。
また何回か見れば色々と理解できるような映画だと思います。何回か見ても退屈はしなさそうなんで
ちなみにこの映画、原作で削除された章があってその削除した原作を映画にはしたらしいですが削除した章は今は復活しています。これを知ったらまた違う目線でこの映画を読み解けるんじゃないかなと思います。詳しいことはウィキペディアに載ってます。
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺
10/10です。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
この映画をどう見てどう感じるかは人それぞれですが、私からは日本人なら絶対に見た方がいいと心からおススメします。
最近キューブリック作品を見るよねと思う方もいるかもしれませんが、たまたまですよ。たまたま
本日も見てくれて、ありがとうございました!