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映画『狂覗』評価&レビュー【Review No.296】

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■映画情報


公開日/2017年7月22分

上映時間/81分(1時間21分)

監督/藤井秀剛

製作国/日本

■予告


youtu.be

■あらすじ

中学校教師が瀕死の状態で発見され、その犯人が同校の学生である可能性が強まっていた。責任を押し付けられた科学教師の森は教師を招集し、体育の授業で生徒たちが教室に不在の中、秘密裏に抜き打ちの荷物検査を開始する。検査のため招集された4人の教師のひとり、国語教諭の谷野は森の教え子で、教師になってから事故をおこし、教職から遠ざかり、森の手によって職場復帰を果たしていた。5人の教師による荷物検査によって、教師の知らない中学生たちの現実、さらに教師たちの実態も明らかとなっていく中、容姿端麗で成績優秀な万田という女子生徒の知られざる顔が浮かび上がっていく。

引用元:狂覗 : 作品情報 - 映画.com

■Review

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『狂覗』は、
劇作家などで知られる宮沢章夫が1988年に発表したか『14歳の国』をベースに、実際の中学生たちにまつわる事件や教育問題などを盛り込んだミステリースリラー映画です。

話題を呼びロングヒットもした作品ですが、どんな作品だったかのか早速レビューしていきましょう





この映画言ってしまえばかなりの低予算映画になっています。ですが、低予算映画にも素晴らしい作品は山ほどあります。例えば『シング・ストリート』などを手掛けたジョン・カーニーのONCE ダブリンの街角でも低予算ではありますが素晴らしい作品です。


映画全体が低予算という訳ではありませんが、予算の都合上出来の良いサメを作れませんでしたが素晴らしい作品に仕上げた『ジョーズ』などあります。
その他にも『ブレアウィッチ』『ロッキー』『英国王のスピーチ』などあります。


数々の低予算映画でも素晴らしい作品はありますが、日本でもそれを今回見つけることが出来ました。
そうです。今回紹介する『狂覗』です。


ミステリー映画ですが今回公式でもネタバレはあまりしないでくださいと言ってるので、できるだけネタバレをしないで映画のレビューをしていきます。


まず映画の製作方法なんですが、どうやら演じた俳優人が自分の出番ではないときにスタッフや裏方の仕事などをしていたらしいです。この取り組みは今の邦画では珍しいし新鮮で、そしてなにより映画をより良くしていたと分かります。


用は一致団結して作品を作るというのが分かりますし、良いものを作っていこうという気持ちがかなり伝わります。
やはりみんなが同じ方向を向いて作品を作るのは良いですよね。


あまり人が頑張る姿をよく写した映画って私は嫌いですが、今回のような製作方法をしてるにも関わらず演技をするときはちゃんとキャラクターに集中して演じているのも分かります。


無名俳優だからあまり期待はしていませんでしたが想像以上にみんな演技は素晴らしいし、キャラクターも印象的です。
そして無名だからこそ、こうした社会問題の映画ではリアルな部分に見えることもありましたし、俳優と視聴者という厚い壁もあまりないから演じてる俳優やキャラクターに親近感が湧きます。


もしこれが逆に有名な俳優を使ってたら、親近感もなくなるし、その俳優に集中してしまいリアリティもあまり無くなると思います。


この映画に出た全ての俳優人の演技に拍手を贈りたいです。




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そしてミステリー映画としてもスリラー映画としても素晴らしい脚本と演出を持った映画だと分かります。さっきも言いましたがミステリー部分に関してはネタバレになるので、自分の目で確かめてください。


ただ一応スリラー部分は言える範囲で言うなら、今の学校事情や生徒と教師の心理的な部分をよく写していて、そして改めて人と言うものは恐ろしい生き物だなと痛感し、見終わった後の頭の中に残る気持ち悪さといい意味での心に残る映画の不毛感が味わえるスリラー映画です。

ここ最近良いホラー映画やスリラー映画を見れていなかったからと言うのもありますが、邦画としてもスリラー映画としても良い作品です。


ミステリー部分はネタバレはしませんが伏線の回収がしっかりしていて納得のいく推理にはなってました。


何よりとても共感できる部分も多いんですよね。ここで言うのもあれですが私も昔いじめには合っていて、生徒が見ているいじめと教師が見ているいじめとでは全く違うんですよ。教師も助けるとは言っても結局は助けなかったり。この映画でもそういう話があってとても共感は出来ました。


そしてこの映画では生徒の隠れた闇や、教師の醜い姿、人間の愚かさをまさに覗いてるような感覚にもなります。そこは共感というか体感している感覚にはなりますね。


教師と生徒が昨今結構心が離れた距離にいるんだと分かりました。
そういう教師と生徒の距離を感じたのは映画に出てくる中学生が顔を隠してたり、目を隠しているという演出です。それは色々な考えができますが、私としては結局教師は生徒の顔を覚えるほどあまり見てはいないんじゃないかと思いました。
ある人がある出来事でのフラッシュバックがありますが、そこだけ一人の生徒の顔がハッキリ出ます。それはその人にとってその生徒は意識的な人だと分かり、あとの生徒が顔とか出さないのはきっとそこまで意識していなくて自分の利益としか考えないんじゃないかと思いました。


それらを含めると本当に人間と言うのは恐ろしいし、いろんなメッセージが込められた映画であると分かります。また何回か見れば色んな考えや見方が出来るような映画でもありましたね。
そしてもちろん今の学校のいじめ問題や教師の性犯罪を隠さずに見せて、中学生の今の残酷さを映していました。


映画全体としても音響は良いし、音楽の使い方や曲は怖さがあったし、カメラも俳優がやっていてブレたりぼやけてる部分はあったけど逆にそれが映画の雰囲気とマッチしていて、教室だけでのやり取りも閉鎖的で緊張感がありました。


人間の不気味さと気持ち悪さを兼ね備えた素晴らしい邦画スリラー映画だと思います。
見てるときも驚愕する部分は多々あるし、見終わった後の頭に残る気味悪さは半端ないです。
久々にいい邦画が見れて嬉しいです。


■評価


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最終評価は・・・




☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺

10/10です。

( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

 


この映画はB級映画のようで、内容も内容だから好き嫌いが分かれる作品だとは思います。ただ私からしたら、そこらのアイドルが主演してる映画やアニメからの実写映画よりも普通に面白いし、メッセージや伝わってくるものが何よりも強いです。
だから過激な部分はあるけど今の中学生やその教師のはぜひ見てほしい映画だと思います。

勿論スリラー映画やミステリー映画好きの方もとても楽しめる映画になっているのでオススメします。今年公開の邦画の中では一番の傑作です。





はい、そんな感じで!

それでは!