■予告
■あらすじ
東京で暮らすごく平凡な一家、鈴木家。当たり前のように電化製品に囲まれた生活を送っていたある日、電気を必要とするあらゆるものがなぜか使えなくなり、東京は大混乱に陥ってしまう。交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップした生活に人々が困り果てる中、鈴木家の亭主関白な父・義之は、家族を連れて東京を脱出することを決意するが……。
■Review
『サバイバルファミリー』は、
『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』なので知られる矢口史靖監督のサバイバルコメディ映画です。
この映画は第一回マカオ国際映画祭のコンペティション部門の出品作品になります。
てかマカオで映画祭をやるのに驚きなのですが
矢口監督の映画にしてはまた違ったテイストで見れた映画でした。
コメディ部分もありますが今までのようなドタバタやシュールな笑いはそこまで多くはなく、サバイバルをしていく家族の緊張感ある作品になっていました。
緊張感あると言っても、私から見たら少し物足りなさはありましたが、それでも映画の撮り方や編集方法など監督の拘りが見れる作品にはなっていたと思います。
とりあえず配役がいいです。最近の邦画だと有名俳優やかわいい女優を使いますがそれが家族に見えないときがあります。
この映画では小日向文世と深津絵里に年齢差はあるものの、ちゃんと夫婦には見えましたし、
その息子たちを演じたまだ無名の俳優たちもその子供に見えました。
4人の性格やちょっとした悩みなども伝わり、だからといってそれが前面に出されていたという訳ではありません。
あくまでも微量程度ですので、全体的にサバイバルと家族の再生を集中して見ることができました。
ただ思ったより家族がめちゃくちゃ中が悪い訳ではなかったです。
よくいるような家族を写していてそれはそれで自然でいいですが、再生された時の見ている視聴者は嬉しい気持ちにはあまりならないと思います。
それでもキャラクターの心情や再生を台詞に頼らず、演技や映像で見せたのは監督の上手い部分だと思いました。
ただ不満点は何点かあります。
サバイバルとしてのリアリティがあまりなかったなというのが大きな不満点です。
確かに見ていて大変だなというのは分かります。
あまり比べるのもおかしいですが、震災とかと比べると電気やガスが急になくなるのってかなり過酷だと思うんですよ。
それなのに過酷さは弱かったし、サバイバルなのにツッコミたい部分もあります。
毎回日数が文字テロップで表示されますが、60日や90日となっても服や顔に汚れがあるのに男性は髪や髭が伸びてないのはおかしいです。
さらに細かく言えば女性も少しメイクされています。
その状況下の中髭剃りやメイクなんてできるんでしょうか
捕まえた豚を解体するシーンも大事な部分は見せてはくれません。
大変な時での命を頂くありがたみを見せる絶好のシーンなのに勿体ないです。
別に映画全体をもっと残酷でグロくしろとは言いません。
ただそういう人が自然と忘れていたものを見直す大事なシーンや、サバイバルでのリアリティをちゃんと撮した方が良かったです。
それから後半部分で父親が急に父親らしくなったりと家族の中が良くなる描写が急すぎだと思います。
大阪でのちょっとした喧嘩だけだとあまりその展開にはついていけませんでした。
細かい部分を言うと少し周りの俳優の演技やエキストラの演技が微妙ではありました。
それからもう少しサバイバルや災害の時に使える知識を入れてもよかったと思います。
ただ全体的にはまとまりはありますし、普通に楽しめる映画です。
私もあまり期待しないで見ましたが普通に楽しむことができました。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺⚫⚫⚫⚫
6/10です。
多少のツッコミどころはありますが、娯楽映画として見れば十分に楽しめる映画だと思います。
ここ最近良い邦画を見れてなかったのですが久々に普通に楽しめる邦画を見れて嬉しかったです。
はい、そんな感じで!