■予告
■あらすじ
事件では2010年2月、歳の雄のシャチであるティリクムがトレーナーをショーの最中に殺害した。本作は前述の事件を中心に据えつつ、ティリクムがシーワールドに来た由縁や今までシーワールドで起きたシャチの事故とそれに対するシーワールド側の対応などを、シーワールドの元シャチのトレーナーのインタビューや、パフォーマンスや事故の映像、音声などに基づいて構成している。最終的にはシーワールド側にシャチのショーの停止とシャチたちの自然への回帰を促している。
■Review
『ブラックフィッシュ』(原題:Blackfish)は、アメリカフロリダ州のシーワールドという水族館で起きたシャチが人間を殺した事件について言及したドキュメンタリー映画です。
日本では未だに未公開ですが、一応Googleの方ではデジタル配信されていました。
このまま行けば日本公開されないレアな作品になると思いますので、気になる方は見てみてください
ドキュメンタリー映画事態は好きなものと嫌いなものと別れてしまいますが、内容がとても興味深くあっというまの1時間半でした。
ここまでくると内容が内容でフィクションじゃないかと疑ってしまいますが、ちゃんとした事実なので本当恐ろしいです。
とにかく何が恐ろしいかというと、シンプルにシャチの生態。テレビでしか見たことないという人にとってはこの映画を見たら背筋はゾッとするし、少しの間は水族館に行きたくなくなると思います。
下手なホラー映画よりも恐ろしいです。
実際にこの映画で証言をしてくれたのが、当時シャチ漁をしていた人や、シーワールドで働いていたりシャチのショーに参加していた元トレーナーが証言していたので説得力がありました。
トレーナーたちは観客に「シャチは凶暴じゃないよ!」と言いますが、その過去を振り返ると恥ずかしいし後悔しているという声を聴きました。
シャチは小さなプールで生活を強いられ、ほかのシャチから攻撃され血を流されることにより、かなりのストレスがかかります。
そのストレスを爆発するために、トレーナーに当たったりしますが、何トンもあるシャチから攻撃されたら一溜りもありません。
そもそもシャチは自然では集団行動をする生物らしく、その集団により文化や言葉が違うそうです。
その文化も違うシャチたちを一つのプールに入れればプール内で喧嘩するのは目に見えています。
雄のティリカムは他のシャチから攻撃され血を流し、そしてストレスが溜まります。
人間でいうなら一つの部屋に別々の国の人を入れてるようなもんです。
こうしたシャチの殺戮がストレス爆発でもあるし、時には遊びのようにも見え、またはここへ連れてきた人間の復讐にも見えてしまいシャチに対してゾッとしました。
こういう生態や文化を持っているのに、なぜトレーナーたちは対処できなかったのかというと、
実はこの水族館へ入ったときに飼育の仕方やショーのやり方は教えられますが、シャチの生態については教えてくれません。
また、入る人も特に動物に詳しいという訳でもないので、そもそもシャチがどうやって水族館へ来たのかすら分からない状態でした。
この映画のもう一つ怖いのはやはり人間でしょう。
トレーナーには罪はありません。どちらかというと水族館を経営している側の人です。
シャチの育て方はもちろん、たとえ事件や死亡事故があっても情報操作して「トレーナーのミス」とするそうです。
また、ガイドには「シャチは通常25年から30年しか生きられない」という嘘も教えてしまいます。
専門家によると、自然のシャチは人間と同じ寿命らしいです。25年とかはプールでストレスを抱えたシャチの寿命の事らしいです。
しかも、それをいいことに経営側は「プールで育てたシャチは自然のシャチよりも寿命が長い」とまた嘘を教えます
本当にかわいそうなのは水族館に来た子供たちでしょう。
優しい動物と教えられていざ見たら、シャチが人を襲う光景を目の当たりします。トラウマもんです。
シャチの恐ろしさ、トレーナーの後悔や恥ずかしさ、そして人間の不条理さがすごく伝わる映画です。
この雄のティリカムのヒレが折れている姿を見ると悲しくなってしまいます。
ちなみに、このティリカムは今でも水槽の中で泳ぎ続けています。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺
10/10です。
とてもいいドキュメンタリー映画でした。
資料映像がホラー映画のような緊張感がありましたし、シャチや人間に対して恐怖を埋め込まれました。
それでもしっかりメッセージ性があって素晴らしいですし、最後には良い感じの後味の悪さもありました。
個人的に一番大好きなドキュメンタリー映画になりました。
また見たいと思います。
はい、そんな感じで!