■映画情報
公開日/2013年11月9日
上映時間/99分(1時間39分)
監督/吉浦康裕
製作国/日本
■予告
■あらすじ
暗く狭い坑道が広がる地下世界の集落のお姫様パテマは、坑道を探検するのが毎日の楽しみで、立ち入りが禁じられている「危険区域」がお気に入りの場所だった。しかし、ある時、いつものように危険区域に立ち入ったパテマは、そこで予期せぬ出来事に遭遇し、底の見えない穴へと落ちてしまう。一方、空を忌み嫌う人々が暮らす世界アイガの少年エイジは、周囲の人々とは異なり空にあこがれを抱いていた。そんなある日、エイジは、立ち入り禁止のフェンスの向こう側に広がる地下へと続く大きな穴から、空に向かって落ちてきた少女パテマと出会う。
■Review
『サカサマのパテマ』は、2008年のネット配信の口コミから、2010年にヒットした『イヴの時間』を手掛けた吉浦康裕監督によるオリジナル長編映画になります。
『イヴの時間』は私は見たことありません。
前回の「アップサイドダウン」のレビューでこの映画に少し似ているということを話したので流れでこれを見てレビューしていきます。
ある自然災害がきっかけで普通の重力で生活するものと、反対の重力をもって地下に生活を強いられた人に別れていて
そこでパテマとエイジが出会う話です。
設定や世界観は悪くありません。
映像も特別すごいという訳ではありませんが、反対側の世界と普通の世界の分け方や
特に光の使い方は素晴らしいと思います。
CGの技術も素晴らしく、なにか特別なシーンになるとそこも幻想的に撮されているので映像だけで楽しむのも良いかもしれません。
ただ、この映画は結構不満点が何ヵ所かありました。それを大まかではありますが説明します。
まず、キャラクターに魅力がありません。
彼らにこれといった良いキャラ要素はありませんし、バックストーリーもありません。
パテマ自身もこれと言った強い想いとかはないし、エイジに関しても父親の話はしますがそれに憧れや葛藤などはありません。
悪役も悪役で姿や声が悪役ではありますが、性格や動機などは別に興味が湧きません。
ただの普通の悪役が、悪い考えをしているという感じです。
で、ほかにもエイジのガールフレンドだったり、パテマが憧れている存在の人もいますが
別に彼らがいなくても話は進行できそうな気がします。少し脚本を変えれば
というか本当にガールフレンドに関しては存在が謎です。
ストーリーや設定について。
このストーリーもなにを訴えているのか、なにを視聴者に投げ掛けたいのか分かりません。
設定に関しても良いとはいいましたが、あくまで大まかな部分のことを指してます。
例えば、重力の設定を少し忘れてるんじゃないかなという描写があったり、
設定やストーリーではありませんが、2回くらい処理落ちする事がありました。
また、色々と設定が細かい部分が多かったり、何かしらの用語やアイテムがあったりして、
反転していて考えながら見ているのにそこにまた考えさせる物をぶつけられます。
少し最後辺りになってくると色々と作り込みすぎていて、解説などをしっかりしてくれたら良いんですがそれもあまりしてくれません。
人によっては1回見ただけだと理解できない設定だと思います。
一応これに関しての解説記事は見つけました。
もし、これを見て分からないのであればこの記事の解説を読むことをオススメします。↓
色々な設定を詰め込んだ脚本なので、世界観を強く描くよりかは脚本をもっとシンプルにしてキャラをより魅力的なものにした方がいいと思います。
例えばそれぞれの世界が対立しあう中、ある2人が禁断の恋に落ちる。
例えるなら「ロミオとジュリエット」の規模をでかくしたような感じで
もっとシンプルにすれば誰でも楽しめるものになったと思います。
■評価
最終評価は・・・