KOUTAの映画DASH!!

映画、劇、色んな作品を簡単に、出きるだけ短時間で気ままにレビューするブログ。

映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』評価&レビュー【Review No.191】

f:id:Ko-tachannel:20170625010030j:plain

■映画情報


公開日/2015年3月7日

上映時間/121分(2時間01分)

監督/成島出

製作国/日本

■予告


■あらすじ

バブル経済が終焉を迎えつつあった1990年12月25日のクリスマスの朝、城東第三中学校の校庭で2年A組の男子生徒・柏木卓也が屋上から転落死した遺体となって発見される。警察は自殺と断定するが、さまざまな疑惑や推測が飛び交い、やがて札付きの不良生徒として知られる大出俊次を名指しした殺人の告発状が届き、事態は混沌としていく。遺体の第一発見者で2年A組のクラス委員を務めていた藤野涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、自分たちの手で真実をつかもうと学校内裁判の開廷を決意する。

引用元:ソロモンの偽証 前篇・事件 : 作品情報 - 映画.com

■Review

f:id:Ko-tachannel:20170625010113j:plain

『ソロモンの偽証 前篇・事件』は、ベストセラー作家の宮部みゆきによる大人気同名小説を2部作に別れて映画化。

監督は『八日目の蝉』で有名な成島出監督が製作。

さらに中学生キャストは1万人の中から演技の経験有無は関係なくオーディションで行われた。
このオーディションについても少し触れます



今回良い部分が大きく分けて3つあります。

  1. 演技
  2. ミステリーとしての事件の興味深さと膨らませ方
  3. メッセージ力

これらの3つから細かくレビューしていきたいと思います。




◆演技


f:id:Ko-tachannel:20170625010140j:plain


先程も説明した通り、中学生の俳優人は全国のプロアマを問わずにオーディションをして決定しました
まず、今の邦画でしかも名作を実写映画するにも関わらずオーディションをするという拘りと映画愛が感じられます。

その中学生は容姿などは美人美男ばかりということもなく、何処でも見かける中学生に見えますし、
その中学生の演技は本当に素晴らしいです。
この映画で初めて演技をするという人もいたようですが、そんな風には見えませんでした。

勿論、演技っぽい演技という感じではないですが、
自然的でクセなのない何処にでもいる中学生たちに見えます。

特に素晴らしい演技をしたのは藤野涼子という新人女優です。
彼女の演技は始めて見ますが、とにかく誰よりも自然的であり、日本の若い女優の中では珍しくカリスマ性があります。
後半からの彼女が裁判をやる動機や事件を解決したいという強い訴えも心に響きます。

あるキャラが「さっきの発言は迷いがあった」みたいな台詞があって、
その台詞の通り、その時の彼女に少し迷いや不安があるのも分かります。

本当にこの女優の将来は楽しみです。

もし、今人気の広瀬すず前田敦子などやっていたら
例え脚本が素晴らしくても、演技やカリスマ性で萎えるかもしれませんでした。
本当にオーディションをして正解だと思いました




◆ミステリーとしての事件の興味深さと膨らませ方


f:id:Ko-tachannel:20170625010200j:plain


この話はひとりの中学生男子の柏木がバブル崩壊前のクリスマスに屋上から転落死した死体となって、主人公たちに発見されます。
最初は自殺という形になりましたが、ある事をきっかけに殺人事件ではないかという事になっていきます。

ミステリーとしての描き方もこの映画は素晴らしく、
自殺ではなく殺人ではないかという疑惑の持ちかけ方、
それが段々と膨れ上がっていく様は見ていて興味が湧きます。

中学生が噂程度で断定してしまうというのもリアルですね。
ある女子学生が事故にあっただけで、実は彼女は自殺したんじゃないか?とか
柏木を殺した奴が殺したんじゃないか?という噂や想像だけで話していきます。

また、大人たちの対応も今の日本社会のように、何かを隠して事件を大きくさせようとしないというのも良いです。

それらが上手く連鎖して、
「告発状は何故出されたのか?」
「誰が本当の事を言っているのか?」
「結局犯人は誰か?」
など色んな興味や関心が湧いてきますね。




◆メッセージ力


f:id:Ko-tachannel:20170625010231j:plain


大抵の映画は本当に伝えたいメッセージを1つにし、サブで1つ2つ隠して置くことをしています。
それが上手くいかないというのは邦画では珍しくないです。

ですが、今回の映画はメッセージが2~3本ほどあり
それらが隠れていないでダイレクトに伝えていきます。

しかもそのメッセージがかなり今の日本からしたら大人の事情でギリギリでセーフの「これ大丈夫か?w」というくらい突っ込んでいきます。

その1つが映画のテーマにもある
「嘘つきは大人のはじまり」

本当に映画に出てくる大人たちが、嘘つきだらけで
色々と隠しながら綺麗事ばかり言います。

勿論好きな大人キャラもいますが、大体の大人キャラが綺麗事を言い、力や言葉で子供に圧力をかけたりと
信憑性がないので、良い感じで大人たちを応援できなく、子供たちに応援したくなります。

このポスターのキャッチコピーをしっかりと描き、ドロドロとしているにも関わらず
映画に見入ってしまい、そのメッセージも心にグサグサと来るものがありました。


■評価


f:id:Ko-tachannel:20170625010258j:plain


最終評価は・・・




☺☺☺☺☺|☺☺☺☺⚫

9/10です。

 


事件の真相などは後編を見てみないと分かりませんが、
前編だけを見た感想がこのようになりました。

久々に良い邦画を見たので、皆さんも見ることを強くオススメします。





はい、そんな感じで!

それでは!