■予告
■あらすじ
キリシタンの弾圧が行われていた江戸初期の日本に渡ってきたポルトガル人宣教師の目を通し、人間にとって大切なものか、人間の弱さとは何かを描き出した。17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指す若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。
■Review
『沈黙 -サイレンス-』(原題:Silence)は遠藤周作原作の小説の元、マーティン・スコセッシ監督が映画化したもので、2017年の1月公開映画では注目度の高い映画です。
江戸初期の長崎を舞台にキリスタン弾圧の背景や布教をしにやってきたポルトガル人とキリスタンの人々を映したヒューマンドラマになっています。
映画を見に行った歳、以外だったのが高齢者が見に来るのは予想してましたが、様々な年代の人がいて、中には高校生や子供も見に来ていたのは以外でした。
堅苦しい映画に思いがちですが、ストーリー自体は割りとシンプルです。
日本に布教していた師を探しにいく2人の宣教師が日本へ行き、そこから弾圧する中での生活の苦しみだったり、神の存在とはなにか、人の弱さだったりを宣教師の目線で描いています。
映画次第の世界観に入らせる演出は最高でしたし、映画の中ではBGMなどはない正に「沈黙」な映画です。
それを音楽に頼らないで、緊張感を持たせたり、恐怖させたりするのは素晴らしいと思いました。
世界観からしても、最高でした。
江戸初期ですし、キリスタン弾圧の話などで酷い話や映像が流れるだろうと覚悟して観たんですが、予想よりも酷いです。
けど、処刑だったり生活風景を綺麗に見せたり、中途半端に見せないで、それをしっかりと映してくれたのは良かったと思います。
そういうのがあるから、踏み絵などの時も世界にのめり込んで見ることができたと思います。
それから演技も素晴らしいです。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーの海外俳優は勿論良い演技をしていました。
日本人キャストも素晴らしいし、演技も良かったです。大きく活躍していた訳ではなかったんですが、それでもその映画の雰囲気だったりなど分かっていて、役割を真っ当していたと思います。
なんで日本人の俳優でもこんな素晴らしい人たちがいるのに、邦画になるとジャニーズや顔だけの大根役者を使うんだろう…
それから宗教関連の話でキリスタンの話は大きく出ていたりはしますが、日本の仏教の話も出てたりしましたね。それも結構興味深いし、それぞれの違いの話とかも聞けて良かったです。
また、神様は結局人々になにも答えは出さずただ沈黙したままというテーマも心を動かされました。
同じような映画で去年公開された『PK ピーケイ』というインド映画がありましたが、
これは「どこいっても神が沢山いてどれを信じれば良いの?」「どの神様が本当の神様なの?」というのを面白おかしく、神がこの世にいるという前提での映画でした。
それとはまた違い、この映画ではそもそも神は存在しないのでは?というような話をしていて、
そのせいで人間の本当の弱さや、愛だったりを神様や宗教を通じて良く映していましたね。
特にアンドリュー・ガーフィールド演じたロドリゴはずっと神様の存在に右往左往しながらも神を愛し続けた姿は感動してしまいました
逆にその存在に疑問を持ち、本人がおかしくなる姿も見ものです。
ただ正直な話この映画は一回見れば満足してしまう作品で、2回目以降も見たいなと思うような映画ではないです。
2時間半もあるというのもありますし、あまりにも残酷だというのが理由ですかね。
けど、映画全体は本当に素晴らしい作品です。
宗教や神での話が好き嫌いは別れるし、自然音だけで音楽がないので見ていて眠くなる人もいるとは思います。
それでも物語としては踏み絵なんかは小学校や中学生で習いましたし、それだけでの予備知識を持てば後は見れます。
別に難しい内容でもないし、日本が舞台なんでストーリーは誰もが好きになれる作品だと思います。
そんな感じですね
■評価
最終評価は…
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺⚫
9/10です。
10に近い9だと思ってください。満点をとれなくても別に悪い映画ではないです。
本当に素晴らしい作品ですので、見ることを強くおすすめします。
はい、そんな感じで!