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映画『ウトヤ島 、7月22日』絶望、不安、衝撃。それでも抗って生きる。評価&感想【No.551】

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■映画情報


公開日/2019年3月8日

上映時間/97分(1時間37分)

監督/エリック・ポッペ

製作国/ノルウェー

■予告


■あらすじ

11年7月22日、ノルウェーの首都オスロの政府庁舎前で車に仕掛けられていた爆弾が爆発する。世間が混乱する中、オスロから40キロ離れたウトヤ島で今度は銃乱射事件が起こり、同地でノルウェー労働党青年部のサマーキャンプに参加してた10~20代の若者たちが犠牲になった。犯人は32歳のノルウェー人のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクという男で、極右思想の持ち主であるブレイビグは、政府の移民政策に不満を抱きテロを計画。政府庁舎前の爆弾で8人、ウトヤ島の銃乱射で69人と、単独犯としては史上最多となる77人の命を奪った。

引用元:ウトヤ島、7月22日 : 作品情報 - 映画.com

■Review

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今回は真面目にレビューするよ!たぶん


どうも、KOUTAです。


今回紹介するのはこの作品。
2011年7月22日に起きたノルウェーの大規模テロ。首都オスロの政府庁舎前の爆破テロのあと、オスロから40キロ離れたウトヤ島で起きた銃乱射事件。このふたつの事件合わせて77人死亡したテロ事件を描いた作品。


キャラクターはあくまで実在しない人物。被害者の証言や体験のもと描かれたノンフィクションでありフィクションでもあると同時に銃声と悲鳴が鳴り響く島の中、若き男女の生きたいという人の魂がカメラと共にノンカットで揺れ動く!
そんなウトヤ島、7月22日』(原題:Utoya 22. juli)を紹介していきます。


このテロ事件の何が恐ろしいってこの犯行すべてひとりの男性により行われたということ。ひとりの男性が77人を1日で殺してしまうという恐ろしいテロ事件で世界的にも注目されたらしいです。しかし日本ではあまりこのテロはテレビであまり放送されませんでした。


まぁ調べるとそれもそのはず2011年と言えば日本では東日本大震災が起きた年でその年の7月なんてまだまだ混乱状態ではありましたから取り上げられなかったのも無理はないと思いますよ。


そんな私たちが混乱していた中、状況は違えど同じく混乱を招き多くの命が失われたこの事件を描いた映画を紹介していきます。


それでは作品紹介!


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映画は暗闇からテロ事件の詳細を軽く説明した文から静かに始まり、実際のノルウェー首都オスロの爆破事件を撮らえた映像からスタート。


実際の防犯カメラで撮された爆破事件のあと舞台はウトヤ島に移ります。ノルウェー労働党青年部のサマーキャンプの若い男女は早速自分達の住んでる国で爆破があることを聞き親の心配など不安になりながらもサマーキャンプを楽しもうとします。


映画の主人公(ということにします。)であるカヤも心配になりながらこのサマーキャンプに参加。一緒に参加した妹と少し喧嘩をしながらも、友人たちと爆破事件に関して討論しながらサマーキャンプを楽しみます。しかしそんな穏やかな中予告もなく突然銃声と悲鳴をあげ逃げて惑う仲間たちを目撃。


すぐにカヤたちは屋内や森の中へ逃げるものの、カヤは先程別れた妹の行方を心配し危機的状況のなか妹を探し始めます。果たしてカヤは妹を見つけ出し島から脱出できるのか?



というのが本作のだいたいの内容ですね。


より事件の詳細を知ればこの映画の面白さや良さがわかる作品なのかな?もし詳細をより知りたい方は映画の公式サイトに載っているので是非そちらを見てから鑑賞することをオススメします。


かなり淡々としているし長回しのワンカット作品になっているから退屈に感じる人は感じてしまうと思うけど、個人的には常に緊張感が張り詰められてる状態でいつ殺されるか分からないっていうスリラー映画の良さを引き出しながらも、最後には不安感とモヤモヤが残るスッキリしない作品でそれが結構好み的には会ってたのかな?


勿論他にも語れる部分はあるけど、それはネタバレありじゃないと語れない部分だから前半ではいいません。ただ私的に2019年を代表する傑作映画だったとだけいっておきます。


それではここからはネタバレありでレビューします。


■ネタバレあり感想


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この映画の凄いところを話すなら、あくまであるテロ事件の被害者たちの証言を元に作られたキャラクターは実在しないフィクションのような作品なのにそれでもドキュメンタリーやノンフィクション作品に見えるというところでしょう。


そうした作品は数多くありますが、なによりこの映画はどこまでが「リアル」でどこまでが「リアリティ」のある作品なのか、その微妙すぎる奇妙なラインがあると言うことでしょうね。ある意味この映画の不気味さにはマッチしすぎていましたよ。


カヤが逃げ惑いながら妹を探していると、様々なキャンプの仲間たちと出会いそこでの恐怖の世界から生まれたドラマが始まります。ある場合は数人で逃げるかじっとしてるかの話し合いがあったり、またある場合は兄を待つ小さな子供を森の奥に逃がす話だったり。たぶんそれらのドラマは何人かの証言者の体験なんでしょうね。


バラバラのドラマを見事にひとりの人間が体験したかのような脚本作りは見事だし、カヤ自信が被害者たちや死亡した人たちの代表的立ち位置にいるものだと分かります。


一番衝撃的だったのはカヤが倒れた女の子を見つけ、女の子が死ぬまでカヤが寄り添った話は心に残りましたね。実は唯一と言って良いか分かりませんが、銃で撃たれた傷跡や血が見えたりするのこのシーンだけなんですよ。銃で何発も撃ってるのに「なんで撃たれた人を撮すないのかな」と思いましたが、親族への配慮
とこのシーンを引き立たせる為だったのかなと思います。


確かに撃たれて倒れたりする人を撮したた方が良い部分もありそうですが、私的には逆にそれをしなくて正解かもしれません。理由はまず先に言った親族への配慮。もうひとつが見ている私たちが知らないキャラクターが撃たれても、言い方は悪いけどそれはアクション映画で被害に会うモブキャラと同様に、特にそこから悲しみなどの感情は沸き上がってこないからなんじゃないかなと。
何十人が撃たれてるのを見て最初は衝撃は来ますがもしかすると飽きがくるのかもしれないです。あえて複数ではなく、ひとりのキャラクターを前面に出したことで、よりそのシーンの衝撃さは高またっのかなと思います。


じゃあ何が衝撃なのか。この撃たれた女の子、だんだんと命が消えていく様と同時にそれでも頑張って生きようとする姿がかなりリアルなんですよね。どんどん死が近づくと女の子の肌色が悪くなって、本当に顔や手が灰色のようになるんですよ。これどうやって撮影したんだろう。


こうしたリアル過ぎるゆっくりとした死の描写を撮すことで「人間という命がどれだけ早く失われるか」「いかに人の手で人を簡単に殺すことができるか」という当たり前みたいなんだけど、それがいかに重く怖いものなのかというものをこのワンシーンで見ることができるんですよね。


ちょいちょい見かける死体なんかもよりインパクトはあるし、そんなに見せていないからボートから見た死体が沢山転がる島の絵は本当に絵的にも衝撃的で訴えるものもありましたね。海に浮いているひとりの遺体も、海へ逃げても無駄だという絶望感を絵的にも表せてるんだよね。


カヤは最終的に最後の最後に死んじゃうんですよね。かなりあっけなく。これもいつ死ぬか分からない状況だからこその怖さもあったし、映画の主人公的立ち位置だから大丈夫だろうと思った自分にとっては驚愕でどれだけ甘く見てたんだろうって思い知らされましたね。あんな状態で誰が死んでも可笑しくないのに。


見終わった後にはかなりのモヤモヤ感とスッキリしない気持ちになりました。『カルテル・ランド』や『サウルの息子』と同じように良い意味での感覚なのですが、本当に少し前にこんなことがあったっていう非現実のように見える事実を見せられるとテロに対する意識が変わりますよね。


特にエンディング辺りは不安に押し潰されそうでしたもん。よりこのテロに関して調べるとあれだけの人数をひとりで殺したのに、その犯人は優々と死刑にされずに刑務所で暮らしているということには驚くし、国は違えど共に生きているという恐怖感は実感させられるんですよね。


この映画の犯人をあまり撮すないという描写もスリラー映画としてはかなり良い演出で人の形は見えますがいったいどんなやつが殺してくるのか、どこから現れるのか、ある意味見えない敵と戦い逃げる怖さはあります。これはディズニー映画の『バンビ』からも同じような演出があるんですよね。


嘘のように見えて現実で起こった事件。どれだけ恐ろしい74分だったのか実感できる映画と同時に、若い子たちがどれだけ必死で生きようとしたのか。人の人生がワンカット長回し映像で出来てるから、ひとつの人生を大切に生きていかなければならないなと思えた作品でしたね。


■評価


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最終評価は・・・





☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺

10/10です。

( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆



正直この映画の良さを引き出せたレビューが出来たかと言われたら難しいですが、それでも今年を代表する傑作映画だし、是非多くの人に見てほしい作品。

淡々としてるし後味は悪いけど、見る価値は十分にあると思いますよ。





はい、そんな感じで!

それでは!